ジャネット・ケイが『スシ食いねェ』をカバーする時代が来るとは。

あらやだ、意外とカッコいい。


 アイドルKAY / Janet Kay:2012

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ラヴァーズ・ロックの歌姫・あのジャネット・ケイが日本のアイドルポップをカバー、しかもアルバム監修がつんく♂…という、情報だけ聞くとキワモノ臭ぷんぷんの企画盤なのだけれど、なかなかどうして。

一昨年あたりに話題をさらった「クレモンティーヌがアニメソングをBossaカバー」という企画にも度肝を抜かれたものですが、今回のコレも驚いた。

うちらのようなおっさんにしてみれば、"あの" ジャネット・ケイだからね。1990年代の『Loving You @iTunes Store』の日本国内での大ヒット。決して面白半分に扱って良い素材ではないのです。で、冷やかし半分でこのアルバムを手に取ってみると、うんうん、ちゃんと作られているではないですか。

クリアで優しいジャネット・ケイの歌声は流石。黄金時代のアイドルポップの楽曲の良さも相まって、心地よい心地よい。

で、収録曲のほとんどが女性アイドルの持ち歌なのだけれど、1曲だけシブがき隊の『スシ食いねェ』が紛れ込んでいるのです。ゆったりとしたビートに乗せて、クールなポエトリー・リーディング風のヴォイス。テンション溢れる「Sushi Kui-Neee~~」という女性コーラス。そしていつものジャネットよりクールな歌い口のサビ…。

カッコ良い。

…のだけれど、よく聴くと歌詞がオリジナル日本語詞のまんま直訳で若干意味不明だったり、ふと冷静に「これ歌っているのは "あの" ジャネット・ケイなんだよな」などと思い始めると、クレモンティーヌの時と同じように、ニヤリとすれば良いのだか、失笑すべきなのか、それともただ素直にこのクールさに浸れば良いのか判らずに、心が掻き乱されてしまうのです。

さてそういえば、このアルバムのタイトルは『アイドルKAY』。ま、おそらく「アイドル系」と掛詞になっているのだろうが、そうすると「○○ンティーヌ」シリーズのように「ロックKAY」とか「演歌KAY」とか「○○KAY」シリーズが後に続いてくるわけですよ、きっと。

出すなら出すで、このクオリティを落とさぬ事を切に願うばかりですな。

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