優勝マジックが、ひと試合で「3」減る。

 さて9月11日、東北楽天の優勝マジックが、ひと試合を消化しただけで 18 から 15 へと一気に「3」減りました。これはなかなかのレアケース。通常ならば、

  • この試合でイーグルスが勝ったので、まず 1 減って、
  • この日の対戦相手・且つマジック対象チームであるマリーンズが負けたので更に 1 減る。

…で、楽天の優勝マジックは 18 → 16 になると思いきや、うちの計算ページでも確認できるように、9月11日全試合終了後のマジックナンバーは「15」。3つ減ってる…。

 一瞬、やばい計算プログラム間違ってる! と思って焦ったのだけれど、これで合っていますね。

 一気に「3」減った原因は、パ・リーグの順位決定方法にありました。こちらの記事を見ていただくと良いのですが、簡単にまとめると、

  1. 勝率が高い方が上位。
  2. 勝率が同じ場合は、チーム同士の対戦勝率が高い方が上位。
  3. 1,2とも同じ場合は、(交流戦を除く)リーグ内対戦成績の勝率が高い方が上位。
  4. 1,2,3とも同じ場合は、前年度の順位が高い方が上位。

ということになっています。

 さて、9月11日の直接対決でイーグルスが勝利したために、試合終了時点でこの両チームの対戦成績は、

  • 東北楽天 13勝 - 8勝 千葉ロッテ (残り試合:3)

…となりました。つまりイーグルスが残りの直接対決に全敗したとしても、対千葉ロッテの勝ち越しが決定したわけですね。

 なので、上に書いた「順位決定ルール」に基づくと、イーグルスがマリーンズを順位で上回るためには「直接対戦で勝ち越しが決定しているので、マリーンズと勝率で並べば良い」ということになります。(ルール[2]が適用されるわけですね)

 で、仮にマリーンズが残りを全勝でフィニッシュするとして、イーグルスは何勝すれば同率で並ぶことが出来るかというと…

  • 千葉ロッテが残り試合を全勝すると → 86勝 56敗 2分:勝率 .0.6056
  • 東北楽天が残り22試合を 15勝 7敗で終えると → 86勝 56敗 2分:勝率 .6056

 「15勝」すれば勝率で並べます。はい、マジックナンバーは「15」

 この前日・9月10日の時点では、

  • 東北楽天 12勝 - 8勝 千葉ロッテ (残り試合:4)

…という対戦成績だったので、まだマリーンズには、残りの対戦を全部勝てば対戦率を五分に持ち込める可能性がありました。

 しかも交流戦を除いた「同一リーグ内での成績」で、マリーンズがイーグルスを上回る可能性も残っています。

 つまり9月10日の状況を順位決定ルールにあてはめると、「イーグルスがマリーンズより確実に順位で上に行く」ためには、「マリーンズが残りを全勝で終えた場合」に「イーグルスがマリーンズの勝率に並ぶ(これは実は17勝すれば並べました)」のではダメで、「その勝率を上回る(18勝すれば上回れます)」ことが必須だったのですね。

 この日の優勝マジックナンバーは「18」。

 要らんことを長々と書きましたが、まとめると、9月10日 → 9月11日で、

  • 自分が勝ったので、優勝確定に必要な勝ち数(=優勝マジックナンバー)が「1」減った。
  • 対象チームが負けたので、更に「1」減った。
  • 「相手に対して勝率で上回らなくてはならない」という条件が「相手と同率で良い」という条件に緩和されたので、必要な勝ち数が更に「1」減った。
→ 合計で、ひと試合でマジックが「3」減った。

 というからくりなのでした。

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