そしてイニエスタ / 森山直太朗。

世の中には「変わり者を装った普通の人」はたくさんいるけれど、正真正銘の変な人ってなかなか居ない。そんな中で、本物の変わり者の匂いを持つ希少なアーティストが森山直太朗である、と思うのだが如何か。

で、先日発売された彼のアルバム『素敵なサムシング』。


 素敵なサムシング / 森山直太朗:2012

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相変わらずの気持ち良い歌声と、時おり飛び出すエキセントリックな歌詞。アルバムの頭からぼけ〜っと聴いていたら、8曲目にとんだ罠が仕掛けてあった。

Track #8 『そしてイニエスタ』。

何なんだ、この曲。

イニエスタというのはもちろん、当代きっての名門サッカークラブ・FCバルセロナの名ミッドフィールダーの彼のこと。イニエスタ / FCバルセロナに捧げた曲…と言えばその通りなのだけれど、応援歌というには余りにも力が抜けていて、リスペクト・ソングというには余りにも長閑。「ウケを狙ってやろう」という強い意志も感じられず、曲のモチーフ以外は至って普通。普通に良い曲なのだな。

  → そしてイニエスタ / 森山直太朗 @ YouTube

名曲『さくら』を唄うのと同じテンションと同じメンタルで『そしてイニエスタ』を普通に歌い上げる森山直太朗は、なんだかやっぱり凄いのです。

確かに "イニエスタ" とか "プジョル" とか "カンプノウ" とか、バルサ関連の固有名詞は響きが良くて、「声に出して読みたい単語」ランキングのかなり上位に来る事は確かなのだけれど、それで一曲作るかね。

恐るべし、直太朗。

「そし〜て〜 イニ〜エ〜スタ〜」というサビのフレーズが、しばらく頭から離れそうにない。

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