プロ野球・消滅クリンチナンバー。

2015シーズンから、「消滅クリンチナンバー」を「エリミネーションナンバー」に呼称変更しています。呼び方が変わっただけで、定義などは全く同じです。

以下の記事内の「消滅クリンチナンバー」を「エリミネーションナンバー」に読み替えてご覧ください。

「プロ野球のクリンチナンバーを計算するページ(パ・リーグ / セ・リーグ)」で 2012シーズンから計算を始めた「消滅クリンチナンバー」についてです。

おそらく正式にはこんな言葉は無いと思うので、勝手に名付けて勝手に定義したのですが、

消滅クリンチナンバーとは、
 (1) 他のチームの勝敗が自分に最も都合よく推移したときでさえ、
 (2) 自分がこれだけ負けてしまうと絶対にその順位に届かなくなる。
…という敗戦数のことです。

シーズンが進んでいったときに、下位球団がどれだけ追いつめられているの? ということを確認できる指標ですな。

シーズン開始時点では「ホークスの優勝消滅クリンチナンバー = 99」、つまり「ホークスは 99敗しなければ(45勝98敗1分でいけば)優勝する可能性がある」という、ちょっととんでもない値がはじき出されるけれど、これで合っているの。

これは、(1) の「他のチームの勝敗が自分に最も都合よく…」という条件があるためと、日本プロ野球の「引分けはノーカウント。勝率計算には含めない」というルールがあるためです。

ちょっと長いけれど具体的に説明。

ホークスが 45勝98敗1分 でシーズンを終了すると、最終勝率は .3147。

勝敗の内訳は、「自分に最も都合よく」なので、同一リーグの球団の勝率を下げるために、彼らにはできるだけ勝利したい。ということで、
ホークス → 交流戦:0勝 24敗。(勝ちは同一リーグ内に取っておく)
残りの 45勝74敗1分 は同一リーグ内から。ホークスが優勝する = 他の5球団が全てホークスの勝率を下回る、ということなので、他球団の勝率をまんべんなく小さくするには、例えば、
ホークス → ファイターズ:9勝14敗1分。
ホークス → ライオンズ:9勝15敗。
ホークス → バファローズ:9勝15敗。
ホークス → イーグルス:9勝15敗。
ホークス → マリーンズ:9勝15敗。
という対戦成績が出せますね。さらに「自分に最も都合よく」なので、他の5球団の勝率をさらに下げる努力をしてみます。つまり、他の5球団は交流戦で24戦全部負ける。

すると、この時点で彼らの成績は、
ファイターズ:14勝33敗1分、勝率 .2979。
その他:15勝33敗、勝率 .3125。
まだ、他の5球団同士での勝敗を考えなければならないけれど、既にこの時点で5球団全てがホークスを下回っています。クドいようだけれど「自分に最も都合よく」なので、5球団同士の対戦は全て引き分けてもらいましょう。

というわけで、
ホークス:45勝98敗1分、.3147。
ファイターズ:14勝33敗97分、.2979。
ライオンズ以下:15勝33敗96分、.3125。
見事、ホークス優勝!…な勝敗パターンが存在するわけですね。

ちなみに、ホークスが 45勝99敗だと、最終勝率は .3125。上記のような計算をしてみると、他の5球団が全て 15勝33敗96分の .3125で並ぶ…というのがホークスにとっての最適パターンだという事が判ります。6チーム全てが勝率 .3125で並ぶわけ。

この場合、パ・リーグの規定で「同率の場合は直接対決で勝っているほうが順位は上」というのがあるので(ホークスは全てのチームに 9勝15敗で負け越しています)、ホークスの優勝は無し!…となります。すなわち「ホークスの優勝消滅クリンチナンバーは 99」。

と、まぁこんな計算を試合ごとにするわけです。

で、シーズンが深まってくるとこんな感じになります。↓

dclinch.jpg

「カープの優勝消滅クリンチが 1.5」、つまりカープが優勝するためには、どんなにラッキーな状況となっても1敗1分してしまうとダメ…ということですね。

ベイスターズはもうかなり負けが込んでいて、全勝したとしても1位〜3位になる可能性が消滅しています。

そして表の薄いピンクの部分。これは「残り試合を全敗しても、巡り合わせが良ければその順位に行ける」ということを示しています。クドいけれど「自分に最も都合よく」なので、そういうことが起こり得ます。

濃いピンクの部分は「全部負けても、また他チームが自分に都合良いようにいかなくても、その順位以上は保証されている」という事を示します。つまりドラゴンズとスワローズ、ジャイアンツは5位より下、すなわち最下位になる可能性はゼロ。

そういうわけで。

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