【NPB】「3チームそれぞれに対して自力で上回る可能性が消滅」=「自力CS消滅」ではないのですよ。

 毎年この時期になると何処かの新聞社がやらかすので楽しみで仕方がないのです。

 → 栗山ハム、今日5日敗戦で自力CS消滅|ニッカンスポーツ

 これ、間違いだと思うのだがなぁ。ファイターズが今日敗れても、まだ自力CS進出の可能性は消えません。

 今日の F - H 戦でファイターズが敗れると、確かに「ファイターズがホークスを自力で上回る可能性」が消滅します。ファイターズは既に「マリーンズを自力で上回る可能性」と「イーグルスを自力で上回る可能性」が消滅しているので、

「3つのチームそれぞれに対して自力で上回る可能性がなくなったのだから、自力で3位以内に入る可能性は無くなったのだ。つまり "自力CS消滅" !」

 …と単純に考えてはいけないのですよ。

 E、M、H の3チームはお互いに対戦を残しているので、「この3チームが相互に潰し合う」状況を考慮に入れなければなりません

【9月5日:仮に F が敗れたとした場合】
・F、残り試合全勝すると、最終成績は 81勝62敗2分: .5704。
・H、M、E がそれぞれ、Fとの試合以外に全勝してしまうと、
  • H、最終成績は 82勝61敗1分 (残り20勝5敗): .5734。
  • M、最終成績は 85勝57敗2分(残り22勝4敗): .5986。
  • E、最終成績は 87勝55敗2分(残り20勝7敗): .6127。
…と、3チーム全てがファイターズの最終成績を上回ってしまうので、一見「Fはもうこれらの3チームを自力で上回れない」=「自力で3位以内には入れない」ように見えるけれど、
  • H - M が 3試合。
  • H - E が 4試合。
  • E - M が 5試合。
…と相互の対戦が残っています。これらの試合で「両チームが勝つ」という事は不可能なので、すなわち「Hが20勝、且つMが22勝、且つEが20勝」することは有り得ませんね。

 H は、残り試合でもう1敗してしまう(19勝6敗でいく)と F を上回ることができなくなるので、ひとまず「H は残り、F以外には全勝」とします。つまり 残りの H - M 戦と H - E 戦は 全部 H が勝つ(MやEが負ける)。

 すると、
  • H、最終成績は 82勝61敗1分 (残り20勝5敗): .5734。
  • M、最終成績は 85勝57敗2分(残り19勝7敗): .5775。
  • E、最終成績は 87勝55敗2分(残り16勝11敗): .5845。
 お、まだ全チームが F の最終成績を上回っています。

 でもこの計算結果は「残りの M - E 戦に於いて、M も E も 5戦全勝する」という、有り得ない仮定の上で成り立っています。

 結局、残りの M - E 戦 5 試合の勝敗をどのように割り振っても、「M と E が同時に F の最終成績を上回ることはできない」ということが分かるはずです。

 まとめると、
  • 9月5日にファイターズが敗れたとしても、
  • ファイターズが残り試合に全勝した場合に、
  • イーグルス・マリーンズ・ホークスが3チーム揃ってファイターズを上回るパターンは、今日のところは存在しない。
  • つまりファイターズは「残り試合に全勝すれば、まだ自力で3位以内に入る可能性が残っている」=「自力CSの可能性あり」
 …となりますね。

 というわけで取り急ぎまとめてみたけれど、計算とか数字とか、間違っていたらごめんなさいです。もし今日ファイターズが負けて自力CSが消滅したならば、そのときは嗤っていただけばいいのだよ。

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