交流戦の優勝クリンチナンバーを計算してみようと思ったら…。

セ・パ両リーグのペナントレースのクリンチナンバーは毎日もりもり計算しているのですが、先日「交流戦のクリンチナンバーも計算してみては?」というメールを頂いた。バタバタしていて、なかなかメールに返信することができていませんがご容赦を。

というわけで、ちょっとまだ気が早いけれど、のんびりしているとまた開幕に間に合わなくなってしまうので、さっそく交流戦の順位決定方法を調べてみると…。
【交流戦の順位決定方法:2012年】
  1. 勝率が高い方が上位。
  2. 勝率で並んだ場合は、勝利数が多いほうが上位。
  3. それでも並んだら、直接対戦成績が良いほうが上位。
  4. それでも並んだら、TQBが大きいチームが上位。
  5. まだ並んだら、ER-TQBが大きいチームが上位。
  6. まだ並ぶなら、チーム打率が高い方が上位。
  7. それでも差がつかなければ、前年度の交流戦順位が上のチームが上位。
※TQB = (得点 / 攻撃イニング) - (失点 / 守備イニング)
※ER-TQB = (相手自責点による得点 / 攻撃イニング) - (自責点/守備イニング)

 → 2012年度「日本生命セ・パ交流戦」について|NPB公式
勝率で並んだ場合は、試合結果(勝利数など)だけでなく試合内容(TQBや打率など)まで問われるわけですね。

すなわち交流戦の場合、試合内容(得失点etc)に関わらず相手チームより確実に上位に行くためには、勝率で相手を上回ることが必須…ということになります。

さらに交流戦は、同一リーグに所属するチームとは対戦しない、という変則リーグ戦です。つまり、同一リーグのチームとは直接対決が無いので、そのチームに自力で勝って相手を引きずり降ろす…ということが不可能です。

ということは、交流戦は、
交流戦開幕(各チーム試合消化数ゼロ)の段階では、すべてのチームに所謂「自力優勝」の可能性が無い。24戦全勝でも、優勝できるとは限らない。
などという、ちょっと不思議なシチュエーションから始まるのだな。
(補足説明)
  • たとえ自分が交流戦24戦全勝したとしても、同一リーグに所属するチームも24連勝する可能性があり、それは自力では阻止できない(直接対戦が無いからね)。
  • 勝率10割・24勝0敗で複数チームが並んだ場合、順位決定は試合内容(得失点など)によって決定される。これは各チームの交流戦最後の試合の最後のイニングが終了するまで確定できない。
  • つまり開幕段階で、24試合を全勝しても必ず優勝できるとは限らない = 自力で優勝を決めることはできない。
「優勝クリンチナンバー」は、「自分があと何勝すれば他チームを確実に上回って優勝することができるか」という勝利数なので、自力優勝の可能性が無い(残り全勝しても優勝は確実でない)場合には優勝クリンチは算出されません。

うーん。

で、交流戦開幕後の状態を考えると、結局、
交流戦で「自力優勝」の可能性が生じる(優勝クリンチナンバーが算出される)のは
  • 敗戦数が一番少ないひとチーム。
  • 敗戦数が最少のチームが複数存在する場合は、その中で残り試合数が最も多いひとチーム。
  • ただし敗戦数最少&残り試合数最大のチームがセ・パにひとチームずつ存在する場合は、その両者に自力優勝の可能性がある。
  • 同一リーグ内に敗戦数最少で残り試合数が同じチームが複数存在する場合、それらのチームは自力優勝の可能性が無い。
つまり、12チーム中、最大でも2チームにしか「優勝クリンチ」を掲示できない。
ということになって、現在、実質首位に立っている以外のチームには、優勝クリンチは「交流戦優勝にどれだけ近いか/遠いか」という指標としては全く機能しないのですな。

同一リーグ所属チームが一歩も譲らずに熾烈な首位争いを繰り広げたりすると、下手をすれば「最後まで一度も優勝クリンチが算出されない(=どのチームにも自力優勝の可能性が無い)まま最終戦で優勝決定」という事態も起こり得ます。

さて。そうは言っても、やっぱり何かしら「交流戦優勝に近い/遠い」という指標が欲しいと思うもの。

で、「優勝消滅クリンチナンバー」(これだけ負けたら絶対に優勝できなくなるよ、という敗戦数:くわしくは → こちら)だったら指標としてまだマシな感じで機能しそうな気もするのだけれど、まぁもう少し考えてみる。

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