伝説の映画『Freaks』が、なんとAmazon Primeで見られる。

良い時代になったものだ。

1932年に公開されて物議を醸した映画『Freaks』が、いつの間にかAmazon Primeで配信されている。題名は、邦題の『怪物圑』になっていますね。


 怪物圑(字幕版)

  → Amazon プライムビデオ

「人を見た目で判断してはいけない」というテーマを、仲間想いの素敵な心を持つ障碍者たちと、欲まみれのクズ健常者カップルとの対比でもって、実際の障碍者たちをキャスティングしつつ、どストレートに描く…という、かなり思い切った作品。思い切ったが故に、いろいろ物議を醸したのであります。

実際に観てみれば感じると思うのだけれど、「本物の障碍者たちが出演」だとか「イギリスで上映禁止」だとか、そういった刺激的な話題ばかりを語ったり、"カルトムービー" という狭い場所に押し込められてしまうような作品ではないのです。興味本位で見始めた自分を諭してやりたい。単純に、よく出来た映画です。

起承転結のはっきりしたシンプルなストーリーで、登場人物も魅力的。映画最終盤の、嵐の中で "freaks" たちが仲間の思いを晴らす場面の迫力は素晴らしい。感動のラストも待っている。

もし只の炎上狙いのクソ映画であったとしたら、本筋を外れた好奇な話題だけで数十年も語り続けられるわけがないのです。

で、今、この時代にこの作品を見てみると、作中で健常者から障碍者に投げつけられる(製作者の意図的な)蔑みのセリフよりも、作品全体に無意識にほゎ〜んと漂う、何だか女性を軽んじるような空気のほうに引っかかりを覚えてしまう、という妙な感覚に陥ったりもするのです。

社会の価値観というものは、時代によって変遷していくのだなぁ…と思いつつ、人は外見ではなく中身が大切 − と、これはたぶん今でも変わらない。

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