CSファイナルステージ、優勝を目撃するには何試合めのチケットを買ったらよいのか。
まずはクライマックスシリーズ・ファイナルステージのシステムのおさらい。ファイナルステージ開幕前、まだひと試合も消化していない時点で、何試合目で優勝が決定する確率が高いのかを計算・予測してみましょう。
引き分けを考えないとすると、6試合を行ったときに出現する勝敗パターンは 2の6乗で 64種類。対戦する両チームの実力が等しい(つまり 1/2 の確率で勝ったり負けたりする)場合、その 64パターンそれぞれの出現確率は等しく 1/64 になりますね。
リーグ戦優勝チームを H 、勝ち上がりチームを A としましょう。
H が3連勝して、3試合目で優勝を決めるパターンは以下の8つです。各試合の勝利チームのイニシャルで表すと…
実際には、運営上 H が3連勝した時点でシリーズ打ち切りとなりますが、打ち切られるからと言ってそのパターンが存在しなくなるわけでは無いので、計算上は何も問題ありません。
ということで、H が3試合めで優勝を決める確率は 8/64 = 12.5% です。
同様に、Hが4試合目に3勝目を挙げるパターンは 12通り、5試合目に3勝目を挙げるパターンも 12通り、6試合目で3勝目を挙げるパターンは 10通りあります。
まとめると、A についても同様に、となります。
すなわち、
さて、上のパーセンテージを見てもお気づきかと思いますが、つまり、
ここまでは「両チームの実力が拮抗している」という前提でしたが、仮に「H が A よりも明らかに実力が上」というときはどうなるか。例えば「H は A に、常に 6:4 で勝つ」と仮定してみます。
最初の仮定では、64種類の勝敗パターンそれぞれの出現確率は 1/64 = 0.015625 で等しかったのですが、今回は、パターンそれぞれの出現確率が異なってきます。
これを元に計算してみると、
となりますね。
明らかな実力差がある場合でも、明らかに強いリーグ優勝チームがCSファイナルステージで敗退する可能性が 10回に2回 ほどあるのです。
10回に2回の番狂わせが多いと見るか妥当と見るか。「短期決戦は半ば運だから…」という言葉も、あながち間違いではないような。
…と、以上は、チームコンディションとか相性とか勢いとか、そういう要素を完全に排除した計算ですのでね。参考程度にどうぞ。
- 6試合制。
- リーグ優勝チームが先に3勝、あるいはファーストステージからの勝ち上がりチームが先に4勝すれば優勝。
引き分けを考えないとすると、6試合を行ったときに出現する勝敗パターンは 2の6乗で 64種類。対戦する両チームの実力が等しい(つまり 1/2 の確率で勝ったり負けたりする)場合、その 64パターンそれぞれの出現確率は等しく 1/64 になりますね。
リーグ戦優勝チームを H 、勝ち上がりチームを A としましょう。
H が3連勝して、3試合目で優勝を決めるパターンは以下の8つです。各試合の勝利チームのイニシャルで表すと…
- H H H H H H
- H H H H H A
- H H H H A H
- H H H A H H
- H H H H A A
- H H H A H A
- H H H A A H
- H H H A A A
ということで、H が3試合めで優勝を決める確率は 8/64 = 12.5% です。
同様に、Hが4試合目に3勝目を挙げるパターンは 12通り、5試合目に3勝目を挙げるパターンも 12通り、6試合目で3勝目を挙げるパターンは 10通りあります。
まとめると、
- H が3試合目で優勝を決める確率 … 12.5%
- H が4試合目で優勝を決める確率 … 18.75%
- H が5試合目で優勝を決める確率 … 18.75%
- H が6試合目で優勝を決める確率 … 15.6%
- A が4試合目で優勝を決める確率 … 6.25%
- A が5試合目で優勝を決める確率 … 12.5%
- A が6試合目で優勝を決める確率 … 15.6%
すなわち、
シリーズ開始前に、優勝決定日を予測してチケットを押さえるのならば、
と言えますな。- リーグ優勝チームの優勝を見たいなら 4試合目か5試合目。
- 勝ち上がりチームの優勝を見たいなら 6試合目。
- どちらでもよいので、とにかく決定の瞬間を見たいなら 5試合目か6試合目。
さて、上のパーセンテージを見てもお気づきかと思いますが、
- 何試合目でも良いので H がCSファイナルステージを制する確率 … 65.625%
- 逆に A がシリーズを制する確率 … 34.375%
両チームの実力が拮抗している場合、1勝のアドバンテージが与えられているリーグ優勝チームでも、確率上 3回に1回は勝ち上がりチームに敗れる可能性がある。
ふむ。この「1勝のアドバンテージ」というのが妥当かどうか、その判断は人それぞれでしょうな。ここまでは「両チームの実力が拮抗している」という前提でしたが、仮に「H が A よりも明らかに実力が上」というときはどうなるか。例えば「H は A に、常に 6:4 で勝つ」と仮定してみます。
最初の仮定では、64種類の勝敗パターンそれぞれの出現確率は 1/64 = 0.015625 で等しかったのですが、今回は、パターンそれぞれの出現確率が異なってきます。
- H が 6連勝する確率 = (6/10)^6 = 0.0467
- H が 5勝、Aが1勝するパターン( HHHHHA , HHHHAH , HHHAHH , HHAHHH, HAHHHH, AHHHHH )それぞれが出現する確率 = (6/10)^5 * (4/10)^1 = 0.0311
- …以下略…
- H が 3試合目で優勝を決める確率 … 21.6%
- H が 4試合目で優勝を決める確率 … 25.92%
- H が 5試合目で優勝を決める確率 … 20.74%
- H が 6試合目で優勝を決める確率 … 13.82%
- A が 4試合目で優勝を決める確率 … 2.56%
- A が 5試合目で優勝を決める確率 … 6.14%
- A が 6試合目で優勝を決める確率 … 9.22%
- とにかく H が優勝する確率 … 82.1%
- とにかく A が優勝する確率 … 17.9%
明らかな実力差がある場合でも、明らかに強いリーグ優勝チームがCSファイナルステージで敗退する可能性が 10回に2回 ほどあるのです。
10回に2回の番狂わせが多いと見るか妥当と見るか。「短期決戦は半ば運だから…」という言葉も、あながち間違いではないような。
…と、以上は、チームコンディションとか相性とか勢いとか、そういう要素を完全に排除した計算ですのでね。参考程度にどうぞ。
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