優勝マジックが、ひと試合で「3」減る。

PC版へ 2013年09月12日

 さて9月11日、東北楽天の優勝マジックが、ひと試合を消化しただけで 18 から 15 へと一気に「3」減りました。これはなかなかのレアケース。通常ならば、

…で、楽天の優勝マジックは 18 → 16 になると思いきや、うちの計算ページでも確認できるように、9月11日全試合終了後のマジックナンバーは「15」。3つ減ってる…。

 一瞬、やばい計算プログラム間違ってる! と思って焦ったのだけれど、これで合っていますね。

 一気に「3」減った原因は、パ・リーグの順位決定方法にありました。こちらの記事を見ていただくと良いのですが、簡単にまとめると、

  1. 勝率が高い方が上位。
  2. 勝率が同じ場合は、チーム同士の対戦勝率が高い方が上位。
  3. 1,2とも同じ場合は、(交流戦を除く)リーグ内対戦成績の勝率が高い方が上位。
  4. 1,2,3とも同じ場合は、前年度の順位が高い方が上位。

ということになっています。

 さて、9月11日の直接対決でイーグルスが勝利したために、試合終了時点でこの両チームの対戦成績は、

…となりました。つまりイーグルスが残りの直接対決に全敗したとしても、対千葉ロッテの勝ち越しが決定したわけですね。

 なので、上に書いた「順位決定ルール」に基づくと、イーグルスがマリーンズを順位で上回るためには「直接対戦で勝ち越しが決定しているので、マリーンズと勝率で並べば良い」ということになります。(ルール[2]が適用されるわけですね)

 で、仮にマリーンズが残りを全勝でフィニッシュするとして、イーグルスは何勝すれば同率で並ぶことが出来るかというと…

 「15勝」すれば勝率で並べます。はい、マジックナンバーは「15」

 この前日・9月10日の時点では、

…という対戦成績だったので、まだマリーンズには、残りの対戦を全部勝てば対戦率を五分に持ち込める可能性がありました。

 しかも交流戦を除いた「同一リーグ内での成績」で、マリーンズがイーグルスを上回る可能性も残っています。

 つまり9月10日の状況を順位決定ルールにあてはめると、「イーグルスがマリーンズより確実に順位で上に行く」ためには、「マリーンズが残りを全勝で終えた場合」に「イーグルスがマリーンズの勝率に並ぶ(これは実は17勝すれば並べました)」のではダメで、「その勝率を上回る(18勝すれば上回れます)」ことが必須だったのですね。

 この日の優勝マジックナンバーは「18」。

 要らんことを長々と書きましたが、まとめると、9月10日 → 9月11日で、

→ 合計で、ひと試合でマジックが「3」減った。

 というからくりなのでした。

 → パ・リーグ最新の順位とクリンチナンバー
 → セ・リーグ最新の順位とクリンチナンバー

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コメント

匿名

今回は順位決定ルールの絡みでマジックが3つ減りましたが、それに関係なく3つ減る場合もあります。
1993年9月29日にパ・リーグで起こりました。
当日試合前の状況は下記の通りです。なお、当時は130試合制(勝率優先)で、両チームに直接対決は残っていませんでした。

 ①西武 116試合 69勝 45敗 2分 勝率.605(残14試合)
 ②日ハム 125試合 69勝 49敗 7分 勝率.585(残5試合)

この時点での優勝ラインを考えてみますと、

 ○西武 (9勝5敗)130試合 78勝 50敗 2分 勝率.60938
 ○日ハム (5勝0敗)130試合 74勝 49敗 7分 勝率.60163
 ○西武 (8勝6敗)130試合 77勝 51敗 2分 勝率.60156

となり、日本ハムが残り試合を全勝しても、西武は残り試合に9勝すれば日本ハムを上回りますので、西武にはマジック9が点灯していました。
さてこの日、西武が勝ち、日本ハムは敗れました。その結果、

 ①西武 117試合 70勝 45敗 2分 勝率.60870(残13試合)
 ②日ハム 126試合 69勝 50敗 7分 勝率.57983(残4試合)

となりました。この時点での優勝ラインは、

 ○西武 (6勝7敗)130試合 76勝 52敗 2分 勝率.59375
 ○日ハム (4勝0敗)130試合 73勝 50敗 7分 勝率.59350
 ○西武 (5勝8敗)130試合 75勝 53敗 2分 勝率.58594

となり、日本ハムが残り試合を全勝しても、西武は残り試合に6勝すれば日本ハムを上回りますので、西武はマジック6となりました。
引き分け数の差でマジックが3つ減る事例を思い出しましたのでつらつらと書いてみました。