髪を切る。

朝、目が覚めるといつも突然思うんだよな。

「あ、今日、髪を切ろう」

昨日と比べて、ほんのコンマ数ミリしか伸びていない筈なのに、朝起きた途端になんだか限界を超えた気がするのは何故だろう。限界は、いつも突然にやって来る。

そして限界を感じたら最後、一刻も早く髪を切らねば気が済まぬ。

というわけで、雨が降ったり普通に晴れたりという妙な天気の中、散髪に。

理髪店は緊張するね。

なにしろ相手は刃物を持っているのだ。機嫌を損ねたら大変なことになる。他愛もない世間話の間も全く気を抜く事は許されない。

相手を信頼しつつも「もしもこの人がスウィーニー・トッドの如くちょっとイっちゃっていたらどうしよう」などと真剣にドキドキしつつ、散髪は終了。


あー、髪を短くすると白髪が目立つのぉ。

そして散髪屋を出ると、さっきまで止んでいた雨がポツポツと。いつもの事だが、雨男。


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