うーん。悪くない。悪くは、ない。
アルバム全体から漂ってくる雰囲気はとても良いのです。音楽を楽しんでいる感じ。だけど、薄っぺら感が否めない。曲に深みが足りない。
例えば会社などでもあるでしょ。
才気に溢れているけれどワンマンな上司が取り仕切っている現場。その上司が突然、居なくなる。現場は開放感から雰囲気が良くなって、テンションも上がって仕事がはかどる…ように感じる。
しばらく経って、その高揚感が薄れた頃に冷静に現状を見つめてみると「ああ、やっぱりなんだかんだ言ってもあの人は凄い人だったんだなぁ…」って。やっぱりノエルのソング・ライティング力は凄かったんだなぁ。
「薄っぺらい」とか「深みが足りない」とか感じてしまうのは、これはきっと、オレが Beady Eye に Oasis を見ようとして、Oasisと比べてしまっている所為なのでしょう。オアシスにそんなに思い入れがない人だったら「ほう、なかなか良いではないか」と思うのかもしれません。リアム・ギャラガーのヴォーカルは最高だしね。
ビーディ・アイはオアシスではないのだ。
そう自分に言い聞かせながらこのアルバムを聴いてみれば、まるでジョージ・ハリスンが書いたかのような『For Anyone』や『The Beat Goes On』、『Wigwam』などの柔らかな感じの曲たちは、それはそれで魅力的なのかもしれません。
これを聴いてわかったことは、
- オアシスはノエル・ギャラガーのバンドだったのだなあ。
- ビーディ・アイは(当然だけど)オアシスではないのだ。
- そして、リアム・ギャラガーのボーカルはやっぱり素晴らしい。
さてこれで、いくらなんでも今年中には届けられるであろう、ノエル・ギャラガーの作品が楽しみになってまいりました。OASISを中心点として、Beady Eyeとは真逆に振れるのではないだろうか。
「うーん。悪くはない。けどやっぱりこれ、オアシスじゃない…」なんて、またオレ言いそうな予感。
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