[Internet Radio]合法的に運営するには...。

PC版へ 2009年05月16日
さてさて、「自分がオススメする音楽をみんなに聴いてもらいたい」なんて漠然と考えている人が一念発起してネットラジオを立ち上げようと決心したとする。

条件としては、こんな感じ。
まずネックになるのは「ネットで音楽を合法的に流す」ための権利処理。

日本国内で幅を利かせている著作権管理団体はもちろんJASRAC。「市販のCD音源をネットで流す」事に関してはJASRACとの交渉だけでは駄目です。音楽著作物のネット利用に関してJASRACから許諾を受けたとして、出来そうなことは...
...これくらい。もちろん料金が発生します。

  → JASRACネットワーク課(http://www.jasrac.or.jp/network/)

CD音源をそのままネットで使用したいと思えば、各レコード会社・レーベル・アーティストなどなどに使用許諾を取らなければなりません。そんな交渉は、個人では無理。最近ではYahoo! ミュージックあたりでJ-POPが聴けるようになっていますが、きっとでっかい金が動いているのだろうなぁ。

ということで、ネットでJASRAC管理楽曲のCDをかけることは一先ず断念して、海外に目を向けてみましょう。

SoundExchangeという団体がアメリカにあります。

  → SoundExchange (http://www.soundexchange.com/)

ネットでの音楽利用の権利関係を一手に引き受けている団体。なんだか酷いつくりのWebページで要領を得ない感じなのですが(まぁこちらの英語力の問題もありますが...)、とりあえずココを相手に権利許諾を受ければU.S.での権利処理が完了する筈。

具体的には...
  1. アメリカのCopyright Officeにネットラジオとして登録。
  2. SoundExchangeに登録。
  3. 期限毎に使用楽曲リスト、アクセス実績を提出 → 料金支払い。
という流れ(なのだと思います)。
放送用のサーバは自前で用意。

で、肝心のコストなのですが、これが良く解らんのよ。とりあえず、アメリカの方では音楽のネット使用料率の改訂が進んでいて、しかもその新料率の適用が始まっただの猶予されているだの、実際どの料率が適用されるのかSoundExchangeのWebページを見ても判然としない。
おそらく「非商用(Non-commercial)」として運用するのであれば、年間500ドル + 超過分に従量課金という料率規定が生きているのではないかと。

実際にSoundExchangeと契約しようと思った人は、事前に問い合わせた方が安全だと思います。

別のサービスは無いだろうか。

あった。SWCast

  → SWCast Network(http://www.swcast.net/)

ココが提供しているJPLというライセンス。SWCastに登録してネットラジオをする流れはこんな感じ。
  1. 自前でストリーミングサーバかSHOUTcastサーバを準備する。
  2. SWCastのPersonal Broadcast Serviceに登録。これは権利料込み。
  3. SWCast経由でブロードキャスト。
  4. 放送から得た収入を報告。アクセス実績はSWCast側でトラッキングするっぽい。
  5. 料金支払い。
SWCastに登録すれば、ASCAP、BMI、SoundExchangeなどの権利団体から個別にライセンスを得る必要は無し。アメリカで管理されている楽曲を合法的に流す事ができます。料金も、個別契約よりだいぶお得っぽい。

  → Benefits of the Program|SWCast

ブロードキャストにSHOUTcastのソフトウェアが使えるというのがまた良いですねぇ。

  → SHOUTcast

ということで、
...と、こんな感じで、割とリーズナブルかつ簡単に合法的なネットラジオステーションが立ち上がりそうですね。コンテンツ作成は別としてですが。

ということで、今回はここまで。

他に良いサービスがあったら教えて下さい。


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