さてさて、昨年から『20世紀少年』→『イキガミ』→『ヤッターマン』→『ウォッチメン』と、コミック/アニメが原作の実写映画を観てきたわけですが、遂に真打ちを鑑賞です。
DRAGONBALL EVOLUTION。
興行収入に自分が払ったお金が加算されるのも癪なのですが、公開前からの批判の嵐、原作者・鳥山明の、こちらが「えっ?」と言いたくなるようなコメント、公開前後にテレビで流された宣伝スポットに出てくる人たち全てが半笑いであったり、そして公開後にはマスコミから丸無視されているという現状を踏まえると、どうしても映画館で観ておかなければならないように思えます。
というか、今日で上映打ち切りじゃねぇか。これは直ちに足を運ばねば...とキャナルシティへ。当然レイトショー。1,000円以上は払いたくないです。
で、感想は...。
この映画を観た、たくさんの人たちが言っている事は正しい。
「ドラゴンボール」として観るならば、この映画、0点。
「ハリウッドのアクションムービー」として観たとしても駄目ですなぁ。ブルマ役のエミー・ロッサム嬢が可愛かったので、おまけで20点。あとエンディングの、布団にくるまって介抱されるピッコロさんの姿についつい笑ってしもうたのでプラス2点くらいあげよう。
なんかさぁ、B級の怪作映画を期待して観に行ったらただの駄作だったときの虚脱感ってないよね。もう、突っ込む気力も余り残っていないっす。
この映画のどこに100億円が使われているのか、さっぱり判らない。ストーリーは異常にテンポよく浅〜く進んでいきます。ドラゴンボール、あっさり7つ揃うし。一応クライマックスであるところのピッコロとの対決も、あっさりと終了。神龍の登場も、あっさり。なんだか途中で映画を盛り上げるのを諦めたかのような、そんな造り。
エグゼクティブ・プロデューサーにクレジットされてしまった原作者・鳥山明の「えっ?」という感想に、100%共感してしまいます。
なんなんだろう。
...2029年、第101回アカデミー賞の授賞式。
万雷の拍手に迎えられて舞台に上がった、ひとりの若き日本人監督。
オスカー像を手にした彼は、観客席に向かって口を開く。
「20年前、まだ小学生だった私は両親にせがんで、映画館へ連れて行ってもらいました。どうしても観たかった、その映画。
見終わったとき、私は目に涙を溜めていました。感動したからではありません。違う、こんなんじゃない。僕が、僕らが観たかったのは、断じてこんな作品ではありませんでした。ストーリーも、登場人物も...私が期待していたものは、スクリーンの中には、何ひとつありませんでした。
子供だった私は、期待を裏切られた悲しみ、そして怒りを何処へ向けて良いかわからず、両親の前で、ただ泣き続けました。
そして泣き疲れた私は、子供心に決心しました。映画監督になろう。自分が映画監督になって、人々の期待を裏切らない、素晴らしい映画をたくさん作ろう。世界中の子供たちが、二度と僕のような悲しい思いをしない、そんな映画を作ろう...そう決心したのです。
今の私があるのは、その映画のおかげです。もしその映画が、後世に残るような名作であったなら、映画監督を志すこともありませんでしたし、私は今、ここでオスカーを手にしてはいないでしょう。ありがとう。
ありがとう、DRAGONBALL EVOLUTION!!!」
...まぁ、そんな感じで、映画業界の未来への投資だと思えば、100億円も安いものでしょ。
この映画の不評、『ドラゴンボール』を愛する日本だけのことじゃないの? 結構、本国アメリカでは評判いいんじゃないの? なんて、少しだけ思っていたのですが、公開第1週目の週末興行ランキング、$4,756,488で第8位。ダメダメっす。
続編、ねぇな。
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