15秒ルール。

さてさて、キャンプイン直後からプロ野球界を騒がせている「15秒ルール」です。投手が球を捕ってから15秒以内に投球動作に入らないとボールが宣告される、という基準が導入されるということで大騒ぎ。

公式の野球ルール(公認野球規則)では以下のように規定されています。
公認野球規則 8.04
 塁に走者がいないとき、投手はボールを受けた後12秒以内に打者に投球しなければならない。投手がこの規則に違反して試合を長引かせた場合には、球審はボールを宣告する。
 12秒の計測は、投手がボールを所持し、打者がバッタースボックスに入り、投手に面したときから始まり、ボールが投手の手から離れたときに終わる。
 この規則は、無用な試合引き延ばし行為をやめさせ、試合をスピードアップするために定められたものである。従って、審判員は次のことを強調し、それにもかかわらず、投手の明らかな引き延ばし行為があったときには、遅滞なく球審はボールを宣告する。
  (1) 投球を受けた捕手は、すみやかに投手に返球すること。
  (2) また、これを受けた投手は、ただちに投手板を踏んで、投球位置につくこと。
今回の15秒ルールは、これに上書きするかたちでアグリーメントに記載されるというわけです。

世間にあまり周知されているとは言い難いのは「塁に走者がいないとき」という文言が入っているということ。つまり「15秒ルール」の適用は、無走者の場合に限られるということですな。

ちなみにこの「公認野球規則」というのは、アメリカのプロ野球規則「Official BaseBall Rules」の翻訳で、国際野球連盟(IBAF)が定める野球の国際ルールも、グラウンド上のプレーに関しては「Official BaseBall Rulesに則して行う」ということが明記されています(International RulesのC7項)。

Official Rules | MLB.com
International Rules : IBAF (pdf)
しかもIBAFの国際ルールには、こんな文章が付け加えられています。
International Rules:C7.9
a)The 12-second rule for the pitcher must be enforced at all time during the game (with or without men on base).
投手の12秒ルールは、塁上に走者がいる・いないに関わらず適用されなくてはならない。
厳しいぞ、国際ルール。

しかしオリンピックやその他の国際大会でも、モタモタしていて「ボール」を宣告されたビッチャーって見たことないなぁ。メジャーの試合を観ていても、そう。

このルール、野球規則の文章にもある通り「無用な試合引き延ばし行為をやめさせ、試合をスピードアップするために定められたもの」なのですが。

よく読んで下さいよ。

「無用な試合引き延ばし行為」

とありますね。

無用と有用の線引きは如何に。
その線引きを現場でリアルタイムに判断するのが面倒だから「15秒を超えた場合は自動的にボールを宣告」なんていう乱暴な申し合わせにしたんだろうけれども。メジャーリーグや国際大会でこの時間制限に引っかかった例が皆無(自分が知らないだけだったらごめん)だということは、審判団が「無用な引き延ばし行為」だと判断する例が皆無だってことでしょ。

「バッテリーが打者を打ち取ろうと悩み抜く15秒」と、極端な話だが例えば「投手が観客に拳を突き上げて自己アピールしまくる、無駄無駄な15秒」を同列に扱って、同じ罰則を与えるのはおかしいっすよ。

15秒ルール、運用の改善を望みます。

球場での生観戦、試合がテンポよく進んでいくのは気持ちがいいんだけどさ。締めるべき場所が、ちょっとズレているような気がする。


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