ろうがんきょう を てにいれた。

PC版へ 2012年07月13日
以前は、自分には全く関係の無い話だと思っておりました。正直「文字が見づらい。代わりに読んで」などとおっしゃる年配の人を心の中で嗤ってもいました。

しかし、最近どうも文字が見づらい。そんなに歳というわけでもないのだが。

いやいや、全くお手上げ、という話でもなくて、しばらく見つめていると徐々にフォーカスが合ってくるのです。でも、飲み屋さんの薄暗い店内でメニューを眺めるときだとか、CDの裏ジャケの文字だとか、雑誌『Number』の、写真に重なって印刷されている文章だとか、しばらく前から読むのがちょっと辛い。

で、ダイソーに行くたびに、老眼鏡コーナーで暫く立ち止まって熟考する日々が続いていたのです。老眼鏡に手を伸ばしてみたり、引っ込めてみたり。

何というか、これを手に取ってしまうと自分の尊厳が削られてしまうような気がして、ギリギリのところで購入を踏みとどまっていたのね。

でも今日、買っちゃった。105円也。勇気を振り絞って、変なプライドを捨てたのだ。

快適。

遠くから手元へ視線を移したとき、最近などは "じわ〜" と焦点が合う感じだったのだけれど、すかさず老眼鏡を装着すると "ぴしゃっ" と見える。素晴らしい。

『Number』を読んでも目が疲れない。しかしこの雑誌は文字を詰め込み過ぎだよな。

快適な読書環境を手に入れた代わりに、何か大事なものを失ったような気がするけれど、人はこうしてオトナへの階段を上ってゆくのです。

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