2週間前は上着も要らないほど暖かかったのに、今日は突然の寒さ。こういうときはドームの中も冷えるので、防寒対策バッチリで、いざ日本シリーズ第7戦へ。
開門時刻を30分間違えて、午後4時前に着いてしまうと、ドームのデッキでは既に気持ちの入り過ぎたドラゴンズファンが絶叫していて、周りの人たちの失笑を集めています。彼らを横目で見ながら入場。レフトスタンド最上段に陣取って、試合開始までの長い長い待ち時間。
グラウンドをうろうろしているドアラを眺めながら「あぁこいつは来年も笑顔で居られるのだろうか」とか、守備練習のときに『若鷹軍団』を踊り狂う川崎宗則を「あれもしかして、このダンスも見納めなのかも」と少しだけ感傷的に見つめたりしつつ、プレイボールです。
試合のほうは、ホークス・杉内のまったく危なげのないピッチング、訪れたチャンスで確実に一点ずつ奪ってゆく打撃陣。このシリーズでは殆ど怖さを感じさせないドラゴンズ打線を見ていると、ホークスが加点する度に「お、今日は行けるかも」→「少なくとも負けは無い」→「多分勝ったねこの試合」と徐々に安心感が広がってゆきます。
レフトスタンドの一角で、ドラゴンズファンとホークスファンとの小競り合いがあったりしながらも試合は最終盤。9回のマウンドは、前のイニングから引き続いて今シリーズの絶対的守護神・ファルケンボーグ。
このまま素直に試合終了…かと思いきや、井端が打球をファルケンボーグの腕にぶつけるという予想外の反撃。しばしの空白のあと、告げられる投手交代。「もしかして馬原か?」「馬原さんならこの試合まだ分からない」とざわつくスタンド。
「ピッチャー、ファルケンボーグに代わりまして…森福」
安心と信頼の「森福」の名前に大歓声のヤフードーム。
森福は簡単にツーアウトを取ったのだけれど、試合はまだ終わらない。ピッチャー交代。「もしかして馬原か?」「さすが秋山さん、情に厚い」「馬原さんならこの試合まだ分からない」とざわつくスタンド。
「ピッチャー、森福に代わりまして…摂津」
安心と信頼の「摂津」の名前に大歓声のヤフードーム。秋山監督、いつの間にか冷徹で現実的な指揮官になっていらっしゃる。馬原さんは、来年リベンジすれば良いのです。
そしてゲームセット。3 - 0 でホークスの勝利。
ファイナルステージと同様に、ドームの天井から「なでしこジャパンの時のアレ」が降り注ぐ中、歓喜の胴上げ。両手を上げて子供のように走り寄る孫正義オーナー。ウチのオーナーは野球に愛があるマトモな人で良かったなぁ…と、しみじみ思います。
長い長いセレモニーのあと、レフトスタンド前に整列するドラゴンズの選手・スタッフたち。ドラゴンズファンから、そしてホークスファンからも降り注ぐ、万来の「落合」コール。楽天一年目の最終戦、ここヤフードームでの「田尾」コールを思い出させます。うん、良い光景だ。
CSファイナルステージ第3戦という、そこに連なる8年にも及ぶストーリーも含めて最上級の神試合を目の当たりにしていた所為で、この日本一を決めた試合はそこまで心に響かなかったのがなんだか勿体ない。贅沢だね。
映画でいえば、あの第3戦がクライマックスシーンで、この日本シリーズは完全にエンドロール扱い。スタッフロールに混じって幾つかのシーンが静止画で挿入されて、ラストに「NIPPON CHAMPIONS」フラッグを掲げた選手たちの写真が映ってハッピーエンド、みたいなそんな感じ。
まぁ「ラストゲーム」が「ベストゲーム」になるってあまり無いことだから仕方無い。
とにかく日本一を達成したホークスです。今年の完成されたチームから、来季は何人かの選手が抜けてしまうのか…などと考えるのはもう少し後にしましょうか。
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