カープが5日のドラゴンズ戦に敗れたので、この日をもって優勝の可能性が完全消滅した…と書かれた記事。この「優勝完全消滅」という判断の根拠は、おそらくこういうこと。
10月5日終了時点:この日カープが敗れたことによって、
カープが残り試合を全勝 → 最終最高勝率 .500 ( 68勝 68敗 8分 )。
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スワローズが残り試合を全敗 → 最終最低勝率 .504 ( 65勝 64敗 15分 )。
ドラゴンズが残り試合を全敗 → 最終最低勝率 .500 ( 68勝 68敗 8分 )。
となって、カープはどんなに頑張ってもスワローズの最低勝率を上回れなくなったので「V完全消滅」とした。
一見正しいように見えますが、これは間違い。なぜならカープが残り試合を全勝 → 最終最高勝率 .500 ( 68勝 68敗 8分 )。
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スワローズが残り試合を全敗 → 最終最低勝率 .504 ( 65勝 64敗 15分 )。
ドラゴンズが残り試合を全敗 → 最終最低勝率 .500 ( 68勝 68敗 8分 )。
となって、カープはどんなに頑張ってもスワローズの最低勝率を上回れなくなったので「V完全消滅」とした。
スワローズとドラゴンズは、直接対戦を5試合残している。すなわち「スワローズが全敗して、且つドラゴンズが全敗する」という状況は有り得ない。
…というわけで、カープの優勝可能性は、10月5日以前に消えていた可能性が高いわけです。確実に優勝の可否を判断するならば、残り対戦カードも考慮に入れて計算しなくてはなりません。- この両チームの直接対決で、どちらかが勝ち、どちらかが負ければ、勝ったほうのチームの最終最低勝率はアップする。
- 引き分けだったとしても、いま想定している「全試合敗戦した場合の最終勝率」よりも、(引き分けがひとつ増えた分、負け数がひとつ減るわけなので)両チームの最終最低勝率はアップする。
- すなわち、10月5日を待たずして、カープは既にスワローズかドラゴンズのいずれかを絶対に上回れない状況に陥っていた可能性がある。
実際に手許の計算だと、10月2日、カープがジャイアンツと引き分け試合を演じた時点で、
- カープが残り試合を全勝。
- その他のチームは足を引っ張り合ってカープをアシスト。
結局、2011年シーズン、広島東洋カープの優勝可能性は既に 10月2日に消滅していた、ということですね。
計算、合っていると思うのですが。
小薮健二
確かに10月2日の結果で広島アウト。広島全勝の勝率をヤクルトは3引き分け、中日は8引き分けした時点で上回る。それ以外は白黒ついた試合数と3チームの必要勝利数の合計(必要勝利数-白黒ついた試合が2以下。3だと1ずつ残るから)でどこかが広島に対する上回りマジック(ヤクルト1+・中日4+・巨人6)はどこかが0にするから広島アウト。