あぶさん、引退セレモニー。

PC版へ 2009年10月07日
2009年10月6日。ホークス、今季ホームでの最終戦。
大事なシーズン最終盤で試合を落としつづけているチームのことはもう置いといて、ですよ。

今日のメインイベントは、コレ。

abu001.jpg"あぶさん" 景浦安武選手の引退セレモニー。
これだけを目当てに、ヤフードームへ足を運んだわけですよ。

試合終了後に、セレモニー。もちろんあぶさんは登場できないので、代わりに作者の水島新司先生がマイクの前に立ちます。ホークスのユニホームに身を包んでくるのかと思いきや、ぴっしりとスーツを着ています。

秋山さんから水島御大に花束が贈呈されたあと、スタンドからの大拍手に包まれながら御大のごあいさつ。描く漫画と同様に、水島御大の発言は現実と妄想が交錯して明後日の方向に突っ走ることが多々あるのですが、今日はそんな事も無く、ファンと球団への感謝の言葉が綴られます。ノーカットで書き起こしてみましょう。

「え〜、昭和48年、あぶさんこと景浦安武は、南海ホークスにドラフト外で入院 ... あぁえぇ〜」

御大、いきなり言い間違い。ドームは暖かい笑いに包まれます。

「...入団いたしまして、連載が始まりました。それ以来、南海ホークス16年、福岡ダイエーホークス16年、そして現在のソフトバンク5年と、37年の永きに渡って、選手に愛され、ファンの皆様に愛され、今日までユニホームを着てまいりました」

拍手。まぁユニホームをいつ脱ぐかというのは水島先生、あなたの匙加減なのですが。

「37年間、本当に楽しい野球人生でした」

拍手。

「たくさん、思い出はありますけれど、やっぱりこの中で、私のいちばんの思い出は1995年、まさかと思う、王貞治さんが福岡ダイエーの監督として、来てくれたことです」

拍手。

「あぶさんという作品は、"追いつけジャイアンツ、追い越せセントラル" で始まった作品です」

拍手。

「その、大きな壁となった、その人は、ONです。その王監督が福岡ダイエーを率いてくださる、しかも以後14年、あぶさんは、その元で野球をやりました。あぶさんはユニホームを今日脱ぎますけれども、まだ、連載は続きます」

拍手。連載は続くんだぁ。

「どうぞ、ホークスのあぶさんと変わらぬご声援を、これからもよろしくお願いいたします」

拍手。

「最後に、愚作『あぶさん』のために、引退のために、このように栄えある引退セレモニーを...の場を作って頂きました福岡ソフトバンクホークスに、心より御礼申し上げます。この瞬間、水島新司は、男になりました。ありがとうございました」

大拍手。
かっこいいぞ、水島御大!
37年間も描き続けたものが、ファンに加えて球団にも認められて、本拠地最終戦での引退セレモニー。水島先生、漫画家冥利に尽きるのではないでしょうか。

いやいや。

名古屋で育った自分にとって、パ・リーグというのは本当に遠い存在だった。でも『あぶさん』があったおかげで、少なくともホークスの主力選手の名前くらいは何となく知っていたわけです。で、そんな名古屋育ちの男が、何の因果か福岡に居を移し、そこでホークスと遭遇したのですよ。あぁ、あの『あぶさん』のホークスが自分の街のチームなのだなぁ ... そんな事を思ったものです。

abu002.jpgあぶさん、37年間ありがとう。

ちなみに試合の方は 2 - 0 でバファローズに完封負け。先発・杉内の11奪三振を援護できずに、終了。1stステージ本拠地開催が遠ざかる、遠ざかる...。

  → 『あぶさん』@Amazon.co.jp

関連記事

<<前の記事 | HOME | 次の記事>>

コメント

現在、コメント機能は停止しています。