昨晩から、全く眠くないんだが。
何かヤバいクスリでも盛られたのではないだろうか。
目が冴えているだけで、特にアタマが冴えている訳ではないのが残念…。
ところで今日のニュースにこんなのがあった。
★「紙飛行機、宇宙から戻る?」@中日新聞
紙ヒコーキの愛好家と、東大の研究室が共同実験をしたんだと。
耐熱性のある紙で折った紙ヒコーキを、マッハ7の気流に晒して無事かどうかを調べる基礎実験。大気圏突入の際に燃え尽きずに宇宙から地球へ戻って来れる可能性を探るのが目的だそうだ。
紙ヒコーキはちっちゃいので、摩擦が少ないから燃え尽きない可能性があるんだって。
宇宙から帰還する紙ヒコーキ。
何てロマンチック!
「これが成功したからって、何の役に立つんだよ」なんていう野暮な事は言いっこ無し。只の夢見がちな思いから、幾多の、考えもしなかったような技術が生まれたではないか。
例えば、ええっと、
初音ミク?
…まぁともかくさぁ、これが実際に成功したら、いろんなエピソードが生まれるのですよ。
ある日母親が、形崩れして、少し焦げて茶色に変色した紙ヒコーキを家に持ち帰る訳だ。その紙ヒコーキは、汚れた外見に不似合いな綺麗ななガラスケースに収められていて、母親はそれを大事そうに抱えている。
娘は、母親に当然の疑問を投げかける。
「ママ、この汚い紙ヒコーキは何なの?」
母親は微笑んで、娘に「この紙ヒコーキの、羽根のところを良く見て。何か書いてあるの、わかる?」と言って、娘の顔にガラスケースを近づける。娘は、一生懸命に目を凝らして、そこに書かれたアルファベットを読もうとする。
「とぅ、まい、すうぃーと、あんじぇら?」
- To My Sweet Angela
「そうよ、アンジェラ。良く読めたわね。パパが、あなた宛に飛ばした紙ヒコーキなの」
アンジェラは訝しげな瞳で母親を見上げた。
「でも、パパはお星さまになったって…」
「その通りよ。その紙ヒコーキはね」
母親は優しくうなずきながら、アンジェラに語りかける。
「その紙ヒコーキは、パパが宇宙からアンジェラに向けて飛ばしたの」
アンジェラの父は、宇宙飛行士だった。
「紙ヒコーキを宇宙から飛ばして地球に帰還させる」というロマン溢れる実験を成功させたあと、自らは地球への帰還途中での不慮の事故によって、宇宙空間で命を絶った。
それは、アンジェラが誕生する1ヶ月前の事。
地球に還ってきた紙ヒコーキは、その後、幾人もの研究者の手と4年の歳月を経て、今日、家族のもとに戻ってきたのだった。
「ほんとに宇宙から?」
アンジェラは目を丸くして母親を見つめる。母親は大きくうなづいた。
「じゃあ」
満面の笑顔になったアンジェラ。
「パパは本当にお星さまなんだね。毎晩、会えるんだね」
「そうね」
母親は少し涙を浮かべて、しかし笑顔はそのままでアンジェラを見つめ返す。
「パパは、お空からいつでも見ていてくれるからね…」
なんて事が起こる訳だ。
…やっぱり、目が冴えているだけで、特にアタマが冴えている訳ではないようだ。
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