(It's Only a) Paper Moon。

PC版へ 2009年01月09日
去年の9月末くらいから2ちゃんのオカルト板で微妙に盛り上がっていた『梯子』スレ。興味がある人はまとめサイトに行ってみればよいのです。綺麗にオチが付けば、なかなかの名作になり得たのだがなぁ。

ともかく、この「梯子の話」のプロローグで、知らないおっさんから渡されたメモに書いてあったのが「Maryはpaper moonを歌わない」という言葉。

Paper Moon

言わずと知れたJAZZのスタンダード。ウソか本当か分からない物語の初っ端に、この曲の題名を持ってくるなんざぁ、とっても洒落ているではないか。

Say, it's only a paper moon
Sailling over a cardboard sea
But it wouldn't be make-believe
If you believe in me

- ボール紙の海の上をゆく
  紙製の月だったとしても
  それは紛い物なんかじゃない
  私のことを信じてくれるのならば
う〜ん、なかなか深い歌詞。

うちのCD棚にはナタリー・コールが歌ったバージョンが眠っていた。



 Unforgettable : With Love / Natalie Cole:1991

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もともとは1933年にミュージカルのために書かれた曲ですが、その後ナット・キング・コールエラ・フィッツジェラルドらによって歌われて有名になりました。

そしてこの、ナタリー・コールのバージョン。このアルバムは、父であるナット・キングがレパートリーにしていた曲を、娘のナタリーがカバーする、というコンセプトで作られた名盤。最終トラック『Unforgettable』は、生前のナット・キングのボーカルに自らの歌声を重ねるという、(当時の)最新テクノロジーを駆使した、時空を超えた涙もののデュエット。

デジタル技術が進化した今では当たり前のように使われる手法ですが(CMで若い加山雄三と今の加山雄三が共演したりね)、時を越えて父娘を共演させるというアイディアは秀逸ですな。

日本の歌手では、昭和の歌姫・美空ひばり。アルバム『LOVE! MISORA HIBARI JAZZ & STANDARD COMPLETE COLLECTION 1955-66』などに収録されています。リンク先で試聴も可。美空ひばりは歌唱力は勿論だけれど、英語の発音も綺麗でステキ。聴きごたえがあります。

それから、みなさん忘れてはいませんか。

SPEEDhiroのジャズ・プロジェクト。...そう、CoCo d'Or



 CoCo d'Or Parfait / CoCo d'Or

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うん、まぁ、チャレンジ精神は買う。

で、この『It's Only a Paper Moon』、元々ミュージカルの曲であるので、正式な歌唱では曲の本編に入る前に「前振り」というのか「台詞と曲とのつなぎ」というのか、「Verse」と呼ばれるフレーズが歌われるのです。

CoCo d'Orことhiroちゃんは、Verseからキチンと歌っていますな(ナタリー・コールも歌っています)。Verseの部分は、こんな感じ。

I never feel a thing is real
When I'm away from you
Out of your embrace
The world's a temporary parking place
A bubble for a minute
You smile, the bubble
has a rainbow in it

- あなたが居ないと虚ろな感じ
  あなたが抱きしめてくれないと
  世界は、ただの羽根休めの場所
  世界は、うたかた
  あなたが笑ったら
  そこに虹が架かる
不思議なもので、このVerseを含めると、本編の哲学的な歌詞から一転、なんだか普通のラブ・ソングになってしまいます。

この曲、たくさんのアーティストが歌っているので、聴き比べてみるのも楽しいかも。

It's Only a Paper Moon:iTunes Store検索結果
ペイパー・ムーン:iTunes Store検索結果

ということで。

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