2009年の問題作『enka bossa -演歌ボッサ-』。

暮れも押し迫ったこの時期に、Bossaカバー界に久々の問題作が登場です。


 enka bossa -演歌ボッサ- / V.A.:2009.12.16

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題名の通り、演歌のヒット曲をボサ・ノヴァでカバー...というアルバム。カオリーニョ藤原師匠の同名の絶品アルバム『演歌Bossa』とはコンセプトも内容も全くの別物です。

収録曲リストはこんな感じ。
  1. 時の流れに身をまかせ
  2. 雪國
  3. 津軽海峡・冬景色
  4. 川の流れのように
  5. 北酒場
  6. 夜霧よ今夜もありがとう
  7. つぐない
  8. 人生いろいろ
  9. 愛のままで...
  10. 北の宿から
  11. 海雪
冬の曲が盛りだくさん。

前にどこかで書いたけれど、Bossa Novaって本国ブラジルでは既に「過去の音楽 / 既に完成されてしまった様式」扱いされることが多くて(クラブ系にアレンジされる、というような形では現役ですが)、これは日本に於ける演歌の立ち位置に似ているかもしれない。「ど演歌」って絶滅危惧種に近くて、「歌謡曲」「ポップス演歌」というかたちで生き続けているというか。

で、Bossa Novaといえばサウダージ(無理矢理訳せば郷愁)。これは、ある種の演歌と共通項であるかもしれない。でもBossa Novaのもうひとつの特徴は「都会的」。こちらはどうかしら。つまり、

Bossa Nova = サウダージ・知的・都会的 vs 郷愁・哀愁・情念・地方的 = 演歌

というコラボレーション。どうなるだろう。
まぁ日本では昔から「ラテン歌謡」というジャンルもあることだし、悪くないマッチングなのかもしれぬ。

しかし『海雪』ですよ。ヒップホップな格好をした黒人が歌う演歌をボサ・ノヴァアレンジにしてカバーって、冷静に考えると意味が分かりませんなぁ。

試聴しないで買うのにはちょっと勇気がいるので、福岡市内のCD屋さんをかなり廻ったのですが、このアルバムどこにも置いてない...。聴いた方、ぜひ感想を聞かせてくださいな。聴いた! 感想は → こちら

これ、そこそこ売れたら第二弾がでるのであろうなぁ。

ところでこのCD、「業界初! キッズ・ボッサの制作陣が贈る演歌ミーツボサノヴァ」というキャッチコピーが付いているようですが、探してみると他にもあるものですねぇ。

   → GINZA BOSSA NOVA / V.A:2008 試聴あり

収録曲は...
  1. 時の流れに身をまかせ
  2. すずめの涙
  3. 別れの予感
  4. 愛人
  5. 人形
  6. フライディ・チャイナタウン
  7. 夢までTAXI
  8. 想いで迷子
  9. NE-KO
  10. 心凍らせて
  11. 男と女の破片
  12. 追憶
テレサ・テン濃度が濃いめ。そしてアレンジもボサノバというよりは、お洒落ムード歌謡ですなぁ。これは「Bossa Nova」とは認め難いです。


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