菊池桃子、離婚。この機会にRA MU時代を振り返ってみる。

菊池桃子、離婚。芸能ゴシップにはあまり興味が無いのだけれど、菊池桃子の年齢が意外と若かったのに驚いた。俺とあんまり歳、変わらないじゃん。中高生のころは、3つ4つ歳が離れているだけで相当上に感じるからなぁ。

…なんて話はともかく、我らおっさん世代にとっては、菊池桃子と言えばラ・ムーラ・ムーと言えば桃子なのだな。

時を遡ること、およそ四半世紀。

当時、正統派アイドルとして一定の地位を築いていた菊池桃子が突然の「ロック歌手」宣言。もう日本中がざわつくわけですよ。ついこの間まで「桃子、うさぎの耳に、なりたいな…」などとCMで可愛く喋っていた桃子から発せられた、耳を疑うような宣言。僕らの桃子に一体何が起きたんだ、どんな「ロック」を聴かせてくれるんだ、と期待と不安が渦巻く中、RA MUのファーストシングルが届けられたのです。

うん、100%桃子だね。

そのヴォーカルはソロ時代と寸分の違いも無く、シンセ主体のサウンドにはロックのロの字も無く、ただただ失望と失笑に包まれながら RA MU は1年ちょっとの短い活動を終えてしまったのです。

今、僕らはとっても良い時代に生きていて、20年以上の時を越えて、そんなラ・ムーのオリジナルアルバムをダウンロードして聴くことができるのですな。

  → Thanks Giving - RA MU @ iTunes Store|試聴あり

うんうん、あの頃の、なんともやるせない思いが蘇ってきます。

当時の女性アイドル界を振り返ってみると、ちょうどおニャン子ブームが去り、小泉今日子が「自己表現するアイドル」として地位を固めつつあり、本田美奈子がその圧倒的な歌唱力を武器に台頭し、森高千里が独自の世界観で注目を集めたりしていたのだな。

いわゆる従来型の「正統派アイドル」の需要がだんだん少なくなってきた時期だと思うのだけれど、それにしてもラ・ムー。菊池桃子の「ふんわりほんわかしているけれど、その実、意志が強そう」みたいなキャラを生かして、もっとコンセプトを詰めた上での「ロック宣言」だったら結果も違ってきたかもしれないが、目的も着地点もはっきりしない路線変更だったわけですよ。

まぁしかし失敗企画だったにせよ、四半世紀経っても僕らの記憶から消えることは無い、ということを考えれば、日本のミュージックシーンに確かな足跡を残したバンドだったのだ…と言えなくもない。

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