ホークス、城島獲得に参戦。で、球団の収支を考える。

城島健司の日本球界復帰へ向けて、ホークスも獲得を検討するとか。

  → スポニチの記事

まぁ戦力的にはプラスになるだろうし、観客動員にもプラスになることは間違いないだろうと思うのですが、心情的には熱烈歓迎! とはいかない自分もいます。「チームが一番キツいときに留守にしたクセに」とか「やっと結果を出した田上秀則の立場は?」とか考えてしまうのだなぁ。

それはそうとして「城島、マリナーズを退団」の報を聞いた時のホークス球団幹部の発言は、意外と消極的なものでした。チーム編成の問題、資金の問題...。

いろいろな記事を読む限り、その辺りの事情には一応、目処がついたようなのですが。例えば → 西スポの記事

ホークス、球団経営は赤字が続いているということは周知の事実。福岡ソフトバンクホークス株式会社と福岡ソフトバンクホークスマーケティング株式会社を併せた、野球事業の収支を見てみましょう。

2008年シーズンのデータです。
☆観客動員数 → 2,250,044人
☆入場料収入 → 約64億円 : 観客一人当たりの入場料 = 2844円/人
☆営業収入 → 約202億円
☆営業損益 → 31億円の赤字
2007年は、こんな感じ。
☆観客動員数 → 2,307,160人
☆入場料収入 → 約64億円 : 観客一人当たり 2774円/人
☆営業収入 → 約205億円
☆営業損益 → 26億円の赤字
ホークス球団の維持・運営に、年間230億円くらいかかっているようです。


収入の内訳は、入場料 + 放映権料 + 広告収入 + グッズ収入 + その他。支出の内訳は、選手年俸(総額30〜35億) + ドーム使用料(48億!) + スタッフさん、社員さん、ハリーやハニーのお給料 + 遠征費用 + 消耗品などなど、といったところでしょうか。

ちなみに今シーズン、2009年のホームゲーム観客動員数は 2,245,969人。前年比、微減です。不況の影響で広告料収入なども減っている筈なので、赤字幅は増大するのかな、と。

さて、この収支を黒字化するにはどうするか。収入の増加と支出の抑制で35億円くらい作れば黒字化が可能ですね。

35億円をめざして収入を増やしてみる。チケットの値上げなど、お客さんにこれ以上の負担をかけない範囲で、理想的な場合を想定してみましょう(こんな能天気な計算を企業でやったらバカにされますよ)。

☆レギュラーシーズンのホームゲーム72試合を全てヤフードームで行う。
☆全試合、満員御礼。
☆みごとシーズン優勝 → クライマックス2ndステージを主催。6戦までもつれる。

ヤフードームの収容人数は36,253人なので、客単価が2008年と同等だとすると
  → 36,253 x 72 x 2844 = およそ74億円:10億円の収入増。

CSの興行収入は主催者側に入ります。チケット価格はシーズンの1.5倍くらいに設定されますね。ということで、6戦までもつれるとすれば入場料収入だけで
  → 36,253 x 6 x 2844 x 1.5 = およそ9億3000万円。

CS主催に伴って、グッズも売れれば広告収入も増える。入場料収入と同等の収入増が見込まれると適当に仮定してみると、
  → さらに9億円の収入増。

これだけステキなシーズンが送れると能天気に考えたら、締めて28億円とちょっとの収入増が見込まれます。

まだ足りない...。

支出を削ってみましょう。

ヤフードームの使用料が3割引くらいになれば、もう一気に解決ですな。契約上、無理な話ですが。

あるいは選手年俸総額を7億円削減。7億円! というと大きいようですが、現行のホークスの年俸総額から7億円を削減して年俸総額25〜28億円レベルというのは、中日/千葉ロッテ/埼玉西武と同程度なのですね。

年俸調査結果|日本プロ野球選手会ホームページ  

もう充分に優勝争いに絡める戦力を保有できるレベルです。というよりホークスはここ数シーズン、年俸に見合った結果を残していない、とも言えますね。


さてさて、話は戻って城島健司です。
彼の年俸が4億円だとして、ホークスに城島が復帰することにより観客数が7パーセント増えれば、それだけで収支はトントンになる計算です。さらに彼の加入によるチーム力の向上 → ホークス、リーグ優勝! なんて話になれば、球団が垂れ流し続ける赤字も大幅に縮小、なんて計算も出来るかもしれません。城島復帰もあり、かも知れぬ。

カネの話ばかりで申し訳ない。

でもね、収入の1割を超えるような赤字を毎シーズン計上しつづける球団経営ってどうなのよ、と思うのです。この程度の赤字なら、企業イメージの向上・知名度アップのためと思えば安い ... と親会社のソフトバンクが考えているのなら、まぁ外野が口を出すことでもないのかなぁ。

もちろん、強いホークスを見たい。
でも同じくらい、未来永劫ホークスを見ていたい。そのためには「経営健全化」というのも大きな柱になるのではないだろうかなぁ。

そして、仮に城島復帰が決まった暁には、田上秀則の処遇を是非是非、真剣に考えてやってくださいな。

---
ちなみに、長年に渡って身の丈に合った健全経営を続けている広島東洋カープ、2008シーズンの決算を紹介しているブログ記事がありました。

  → 2008年度のカープ売上高史上最高の71億円|カープは広島の代表です!

ほんとうは、全球団がカープのような「身の丈経営」であるべきなのだ。

   

カテゴリ: