シュレッダー。

プライバシーだの個人情報保護だのと世間が騒ぎ始めたのは、いつ頃からなんだろう。

請求書やダイレクトメールなどを、昔は別に何も考えずにそのままゴミ箱に放り込んでいたのだが、うちも今ではシュレッダーが大活躍。名前や住所が書いてある物は、とりあえずシュレッダー。

しかしそこは根っからのものぐさ。

こまめにシュレッダーにかけるなんて事はせず、年末の大掃除の時にまとめてド〜ン。

で、今日、大掃除。

まずは必要な物とそうでない物を選り分けて、次にシュレッダーにかける物とそのまま捨ててもいい物を選り分ける。気が付くと、シュレッダー行きの紙の山。

うちは一般家庭なんで、電動シュレッダーとかいう便利な物は当然、無い。手回し式の卓上シュレッダーでカリカリと地道な作業をせねばならぬ。今日も大概、重労働になりそうだなぁ…と、手動シュレッダーを取り出してみたものの。

無い。

無いのである。

手回しシュレッダーのハンドルが、どこにも無い。
これでは、重たい蓋の付いた、只の半透明の箱ではないか。何の役にも立たぬ。

大掃除で、いろんな物をキチンと仕舞った辺りを、もう一度とっちらかしてハンドル捜索。


…結局、2時間ムダ使い。

そしてシュレッダーをカリカリ回し続けて6時間。やっと全ての書類が紙クズに。どれだけ溜め込んでんだよ、まったく。

ハンドルを回し続けた右腕は、まるで延長15回をひとりで投げ切った高校生投手のようにパンパンに張っているのであった…


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